越後にいきる家をつくる会

技をつなぐ

民家づくりの技・伝統構法。代々受け継がれてきた職人のこころと知恵と技


斑鳩建築棟梁 小川正樹日本の伝統構法は、飛鳥時代以前から培われ、安土桃山時代に一様の完成をみたと言われています。 大陸の技術を取り入れつつ、日本の風土に合わせて育まれた伝統建築、その最大の特徴は、金属の使用を最小限に抑え、木で木を締める「木組み」の技法にあります。そしてその中で最古にして最高傑作と言えるのが、奈良、斑鳩の法隆寺。この寺の堂塔に注がれた、職人たちの優れた知恵と技は、千三百年という歴史が証明しています。
現在、合理的な工法が次々と生み出され、低価格で機能性に富んだ住宅が供給されていますが、残念ながら、こうした家の寿命は長くて30年前後。住宅の大量生産は、「家の使い捨て」という現象を招いたのです。
しかし職人たちはみな「本物の木の家を造りたい」という気持ちをずっと持ち続けて来ました。千年以上受け継がれてきた知恵と技、そしてこころを注ぎ込んで作る「日本伝統の家」、それは百年、またそれ以上の命を持つ、未来への財産となるのです。

技伝統構法のすばらしさ

写真1 伝統構法の良さは、なんと言っても「木組み」にあります。特に雪国新潟では、地元の粘り強い木を組み、雪の重さに耐える丈夫な家を作らなくてはいけない。そのためには、大工が木のことをちゃんと知っておかなくてはならない。「木のクセを読む」と言いますが、その通りで、2・3年かけて乾かした木でも、年を経るごとに反りが出てくる。それを想定しながら、知恵を絞って木材を組んでいく、そこに伝統構法の醍醐味があると言えます。
 職人は、とにかく長持ちする家を作ることに全身全霊を捧げます。伝統構法とは、つくり手にとっても、本当にやりがいのある魅力的な工法なのです。

木木組みで表現するダイナミックな空間

写真2  ダイナミックな空間、それは「木」一本一本の個性が発揮された時、はじめて生まれます。
 木は一本一本育ちが違います。中でも曲った木は、使い方を工夫すれば真っすぐな木の何倍もの強さを発揮します。一見弱そうだったり、細かったりする木でも、自分の力を発揮できる場所に使われると、持って生まれた素晴らしい表情を見せ、見事にその役割を果たすのです。
 木組みが表現するダイナミックな空間は、日本古来の構法ゆえに生まれる、世界に誇れる空間なのです。

人住まい手の夢・作り手の知恵と技が響き合う

写真3 まず、家をつくるにあたり、住まい手、設計者、大工の三者で「徹底的」に打合せをします。住む人あっての家づくりですから、施主さんの要望は出来る限り全て取り入れ、その実現のために設計者と大工は知恵を絞ります。無茶な希望があれば、ここできちんと説明して納得してもらいます。このプロセスを三者が一緒に歩むことで、施主さんには、設計者と大工の考え方や技量が自然と伝わって行きます。
 一般の住宅と比べ、時間と手間がかかるのは確かですが、完成した時は、施主さんはもちろん、つくり手の感慨もひとしおです。


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